芸能・育成

演技術でできること

演技術は自分も相手も輝かせる手段

演技に代表される身体表現の基本は、常に「意識と感情」にあります。伝える意識を持ち、受け取る意識を持つこと。感情を伝え、感情を受け取ること。

意識を伝達する過程で、感情が変化することで身体が反応を起こし、視聴者や観客を魅了する空気感が練られていくのです。

Dialogue Design Labでは、プロフェッショナルの俳優を育成するワークショップで、常にこの「意識と感情」のありようを徹底的に訴求することで、映画やドラマ、舞台などあらゆる表現の現場で活躍できる俳優としての土台を構築しています。

また、職業俳優だけでなく、教養としての演技を学びたい方へのワークショップも開催しています。演じるために役(人格)を掘り下げていくことは、自分の魅力や、目の前にいる相手の背景を再発見するプロセスそのものでもあります。

「役としての自分」がどう振る舞うのかを俯瞰視点で観察しながら、役としての今を生きる。こうした演技経験を、実はほぼすべての方がお持ちなのです。

子供のころ「おままごと」をした経験がある人も大勢いるでしょう。例えば、パパの役をやる人は、「パパはどういう思考をし、どういう行動をするか」をイメージして、それを真似ます。これこそがまさに演技の原始的体験と言えます。

会社の上司、部下、恋人や家族、友人など、その時々の関係性によって、表現を変えるのも同様です。このとき、その関係性をふまえた表現に切り替え続けているはずです。これも、原始的な演技体験です。

つまり、誰もの身近にあるのが演技であり、人と人が理解しあううえで演技の果たす役割は限りなく大きいのです。

また、演技を通じて、自分が過去に経験してきた、喜びや悲しみをすべて素材にすることができるので、過去のトラウマから解放されたり、今まで否定してきた自分を受け入れることができるようになります。

役を通じて人間を学ぶことで、対人関係での落ち着きや余裕を持つことができるようにもなります。

自分自身を深く見つめられる特性から、俳優としての活動を志す方だけでなく、ビジネスシーンで演技的アプローチを導入しているトップリーダーたちの中にも演技を活用している人は大勢いるのです。